糖尿病内科とは
当診療科は、日本糖尿病学会が認定する糖尿病専門医である新堂が担当します。
糖尿病内科は、糖尿病を発症している患者様、あるいは定期的な健康診断(健診)などで血糖値の高さを指摘され、糖尿病を発症する可能性が高いとされる方の診療を中心に行います。
健診で血糖値の数値が高かった、あるいは糖尿病が疑われる症状や訴えがあるという場合は、発症の有無を確認する検査として、血糖値やHbA1cの値を検査します。
当院では
血糖値は5秒前後、HbA1cは90秒前後で結果がわかりますので、来院時に御確認したうえで、当院の理念であるひとりひとりに合わせた治療方針を患者さんとともに考え、日常のなかで無理なく続けていける治療をご提案します。
糖尿病の治療は血糖を調整することが最終目標ではなく、みなさんが糖尿病とその合併症に煩わされない生活を送ることが目標です!
以下の症状に心当たりのある方は、一度ご受診ください(例)
- 健診等で「血糖値の異常」を指摘された
- いくらでも食べられる
- 急に甘いものがほしくなる
- よく食べるのに痩せる
- ひどく喉が渇く
- 尿の回数が多く、量も多い
- 尿の臭いが気になる
- いつも残尿感がある
- 下腹部が痒い
- 手足がしびれる
- やけどや怪我の痛みを感じない など
糖尿病とは
糖尿病とは、血液中に含まれるブドウ糖(血糖)の濃度(血糖値)が、正常範囲を超えて慢性的に高くなっている状態を言います。
このブドウ糖というのは、通常であれば細胞に取り込まれ、体を動かしていくエネルギー源などになるものです。
ところが何らかの原因によって細胞に取り込めなくなってしまうとブドウ糖は血液中でダブつくようになってしまい、やがて血糖値も上昇したままとなってしまうのです。
なお血糖値は、食事や糖分が含まれたジュース等を飲むなどして上昇するのですが、その場合は膵臓で作られるホルモンの一種、インスリンが分泌されることで、再び血糖値はバランスのとれた状態を維持するようになります。つまり、このインスリンの働きによって、ブドウ糖は細胞に取り込まれるようになるのです。
したがって、インスリンの機能が低下することが糖尿病を招く原因となっているのです。
1型糖尿病と2型糖尿病
糖尿病は大きく2つのタイプに分類されます。ひとつは、突然発症する1型糖尿病です。
これはインスリンが作られる膵臓のβ細胞が破壊されるなどして、インスリンがほぼ分泌されない状態となることで血糖値が上がってしまうタイプです。
破壊の原因は特定されていませんが、免疫反応が正常に働かなくなることで起きると考えられています。若い世代の方によく発症がみられるのも特徴です。
1型の場合は、数日~数週間の期間で急激に発症することが多く、のどが異常に渇く、多尿、体重減少、意識障害といった症状が現れるようになります。
一方の2型糖尿病は、時間をかけてゆっくりと症状が進行するタイプなので、発症した時点で自覚症状が現れることは、まずありません。
そのため発症に気づくのが遅れるわけですが、その間も血管内にブドウ糖がダブついているので、常に損傷は受けています。
その後、のどの異常な渇き、倦怠感、多尿、食べても体重が減少するといった糖尿病独特の症状がみられるわけですが、この頃はかなり糖尿病が進行している状態です。
なお、インスリンがほぼ分泌されない1型と違って、2型の場合はインスリンの働きが低下(効きが悪い)もしくは分泌量が不足している状態となっています。そのため、治療法も異なります。
また2型糖尿病を発症する原因ですが、これは長きに渡る生活習慣(過食や不規則な食生活、運動不足、喫煙・多量の飲酒、ストレス、肥満 など)をきっかけとして発症するとされ、その大半は中年以降にみられると言われています。
ちなみに日本人の全糖尿病患者様のうち、実に95%以上の方が2型糖尿病の患者様でもあります。
そのほか上記の糖尿病以外にも、病気や薬による影響で発症する二次性糖尿病、高血糖状態になりやすい妊婦が発症する妊娠糖尿病といったタイプの糖尿病もあります。
注意すべきは合併症
よく糖尿病は怖い病気と言われますが、恐ろしいのは糖尿病そのものではありません。
同疾患を放置することで起きるとされる合併症(ある病気に伴って起きる別の病気)にあります。
糖尿病発症後もこれといった治療もしないでいると次第に様々な血管障害(動脈硬化 など)が起きるようになります。
なかでも細小血管が障害を受けやすく、これらが集中している網膜や腎臓といった箇所から起きやすく、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害は糖尿病の三大合併症と言われています。
また動脈硬化が促進することで、脳卒中(脳梗塞、脳出血)、心筋梗塞、狭心症といった重病を発症することもあります。
このほかにも免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなる、血行不良となって足が壊疽するといった様々なことを誘発します。
こういった合併症に煩わされずに生活していけることが治療の1番の目標となります。
治療について
当院では、血糖値は5秒前後、HbA1cは90秒前後で結果がわかりますので、来院時に御確認したうえで、当院の理念であるひとりひとりに合わせた治療方針を患者さんとともに考え、日常のなかで無理なく続けていける治療をご提案します。
治療内容につきましては、1型と2型で多少異なります。
1型糖尿病の場合、インスリンがほぼ分泌されていないことから、体外よりインスリンを補うことで血糖をコントロールしていく、インスリン注射(インスリン療法)が基本となります。
最初は誰しも不安でいっぱいです。注射をはじめるかどうか、回数や量については相談しながら決めていきましょう。
2型糖尿病は、インスリンの分泌量が不足している、もしくはその効き具合がよくない状態で、インスリンはいくらか分泌されている状態です。
このことから、まず生活習慣の改善(食事療法、運動療法)から始めていきます。
食事療法に関しては、適正エネルギーの摂取(食べ過ぎや肥満に気をつける)、規則正しく一日三食の食事をとる、栄養バランスのとれた食事(糖質や脂肪の量を減らす、食品交換表の活用 など)に努めるといったことを実践していきます。
当院では管理栄養士による栄養指導も随時受けれますのでご活用ください。
また運動にはインスリンの作用を高める効果が期待できることから、こちらも実践していきます。ただ激しい運動は必要ありません、具体的には息が弾むくらいの有酸素運動(1回30分程度のウォーキングやサイクリング など)で充分と言われていますが、これを継続的に行っていく必要があります。
また生活習慣の改善だけでは血糖のコントロールが困難と医師が判断すれば、これらに併せて薬物療法も行います。現在は多種多様な内服薬や注射剤が選択できますので、それぞれの状態に適したものを相談しながら選択していきます。